社会福祉法人よるべ会 理事長星野泰啓
7年前、「よるべ会30周年記念講演」を快く引き受けて駆けつけて下さった藤井克徳さんが、日本障害者協議会(JD)代表として~ウクライナの障害のある同胞(はらから)へ~世界に呼びかけた詩。
戦争は平和も福祉も・・・全てを壊し、不幸と悲しみだけが残ることは歴史が示すとおり。心から早い終息を・・・戦争を止めよう!
連帯と祈り
ウクライナの障害のある同胞(はらから)へ
戦争は、障害者を邪魔ものにする
戦争は、障害者を置き去りにする
戦争は、優生思想をかきたてる
大量の障害者をつくり出す最大の悪、それが戦争
朝一番のニュースを恐る恐る
キエフの包囲網がまた狭まった
教会も文化財も悲鳴を上げて崩れ落ちる
禁じ手が反古(ほご)にされ原子力発電所から火の手
殺し合いでなく話し合いを
侵攻でなく停戦を
停戦でなく平和を
青い空と黄色の豊作に似合うのは平和
私たちは祈ります
西北西の方角をじっとみつめながら
心の中から希望が切り離されないように
とにかく生き延びてほしい
戦争は、障害をたちどころに重くする
戦争は、障害者の尊厳を軽々と奪い去る
戦争は、障害者の明日を真っ黒に塗りたくる
早いうちに、否、この瞬間に終わらせなければ
もう一度くり返す
とにかく生き延びてほしい
たとえ、食べ物を盗んでも
たとえ、敵兵に救いを乞うてでも
遠い遠い、でも魂はすぐ傍(そば)の日本より
ふじいかつのり(NPO法人日本障害者協議会 代表)
(以上、よるべ会広報誌「かわらばん」 2022年夏号より転載)