山下さん、「よるべ会」での三十三年間、本当に有難うございました。
「よるべ会」の今年度スタートで、何より大きな変化は、「梅香園」施設長を十五年間(「よるべ会」では三十三年間)勤められた山下良男さんが退職されたことです。
山下さんと私とは県下S施設で出会って四十五年程ですが、私より一足早くS施設を退職され、暫く後「障害のある人達の仕事場にもしたい」とシルク印刷工場を立ち上げ、実現に向かって懸命に努力されていました。三十六年程前、「よるべ会」の設立を目指し、私もS施設を退職し、準備の間の無職の私は時々、山下さんの工場に立ち寄り、計画を話しながら「なんとか山下さんの力を借りたい」とお願いし続け、それが叶って「沼代園」(現「よるべ沼代」)の開設から利用者の仕事づくりに大きな役割を担って下さいました。
「施設の中に本物の仕事を!!」とシルク印刷、木工等、それまで山下さんが培ってこられた力を発揮され、実績が重なり、二宮町一号線沿いに「SP企画」と名付けて独立工場を開設、正に施設を出て地域の中での活動が生まれました。利用者の方、二名は入所施設からグループホーム(当時は県生活ホーム)の生活に移られ、社員となり、四~五人が施設から通勤する。当時としては画期的なことで、多くの人に注目され、見学者が絶えない時が続きました。その「SP企画」はその後、開設した通所施設「コスタ・二宮」の分場として法人で設置し移転となりました。更に数年後、小田原市から市立・市営「梅香園」の民間委託の方向が示され、プロポーザルにより当法人が担うことが決まり、山下さんが施設長に選任され、その後の十五年間、利用者・ご家族・地域へのつながりがどんどん進み、役割を遺憾なく発揮され、続けられたことは皆さん周知のとおりです。そこに込められた山下さんの想いは、間違いなく現場職員全員に浸透した姿となっています。
山下さん、「よるべ会」での三十三年間、本当に有難うございました。四月からは、毎週水曜日午後、ボランティアで音楽教室の指導に通っていただいています。その日を待ち望んで「山下さん来る?」と利用者の皆さんは朝からワクワクしています。
重ねがさねの感謝を込めて!
※よるべ会広報誌「かわらばん」平成30年夏号に掲載の「ふわふわ」より転載。